ZiVASANプロジェクトの本
「じいとばあから学ぶこと」英語版完成!
四国の山でいまもなお"持続可能な暮らしの文化"を継承している人たちがいます。この方々の経験知に基づいた知恵と知識を、次の世代がどう受け継いでいくのか。ここ木頭村(現徳島県那賀町)に残っているような"学ぶべきこと"は、英語版制作の協力者のお一人であるアメリカ在住のアンジェリータさんの感想(こちら)にもあるように、実は国内外の各地にもあります。科学的知見が及んでいないことと、手間ひまがかかり経済的尺度だけでは見過ごされ、パラダイムシフトが必要であること。一見自由に見えるが、実は時間も価値観も管理された社会を自らの手で作ってしまった私たちにとって、ハードルの高い問題のひとつと言えます。しかし、311の原発事故をきっかけに、いままでの科学的知見の未熟さと適応限界を認めざるを得なくなりました。地球上の生命活動を支えている複雑系のシステムを無視しては、それまで最優先事項だった経済活動すらも容易に破綻することがわかってきました。私たちが直面するハードルは、超えざるを得ない存在であるように思えます。
2010年にトヨタ財団の助成でこの冊子「じいとばあから学ぶこと」を作りました。自給自足の暮らしが当たり前だった時代を知る人々が、今もなお実践している山の暮らしを綴ったものです。地域に残るこのような生活技術は決して生産性の高いものではありません。しかし、無理なく身近にある素材を利用し、手間を惜しまない暮らしの中から生まれてくる「もの」は、経済成長を支えて来た「モノ」とは異なります。持続可能性の高い地域だからこそ、「限りなき成長」ではなく、「限りなき再生」が可能な"もの作りの知恵"がこれからは必要です。渡嘉敷島で子ども達と自給的な暮らしの実践経験のある坂田竜二さんは:
『じいとばあから学ぶこと〜small good things 』は懐かしくも、未来への大事なヒントが載っているように思いました。生活の中に学びがあって、喜びがあって、自然と調和していて、現在の細分化されて商業化されている世界の対極にあります。祖父の遺品を整理しながら、かつて流れていた時間の豊かさを実感させられました。村役場からいただいていた記念品が、昔のものは手の込んだ漆の器であったり陶器であったりするのですが、時代が近くなるにつれて外見は良くても中身のない薄っぺらいものであったりするのです。工芸品が、工業品になったのかもしれません。家の中のどこを見ても昔の物には時間と愛情がたっぷりかかっていた気がします。
今回、英語版を出版することで世界各地にある、身近な"大事なヒント"を見つけるきっかけになればと思っています。是非、日本語版と合わせてご一読いただきご意見を賜れば幸いです。
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○この事業に関するWebサイトは:ZiVASAN.com イコールラボ
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*トヨタ財団Webサイトでこの冊子を紹介して頂きました。・・・こちら
*農文協「季刊地域」2012年2月増刊p123で書評を掲載いただきました。
*THE BIG ISSUEで取り上げて頂きました。・・・こちら
*地元の徳島新聞が取材に来てくれました。
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この他、「山もりのババたち〜脱ダム村の贈り物」(凱風社/2003年出版/平和協同ジャーナリスト基金奨励賞)はこちらをご覧下さい。
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