2012年1月11日水曜日

木頭インターンレポート


1月8日~29日:徳島県那賀町木頭におけるインターンシップ活動内容
<生業・伝承に関わる活動>
かじ蒸し体験→かじ(こうぞ)の木を刈り取り、蒸して皮をはいでから川にさらし、干すところまでを体験した。また、繊維と繊維をつないでいく作業(糸をうむ)にも参加した。北風が吹く中で、川の水に浸かっての作業はなかなか大変だったが、かじ蒸しにまつわる作業をほとんどすべて体験できたことで、太布の価値を実感できた。地元の中学生は、かじ蒸しの本番の日に少しだけ体験にきていたが、最初から最後まで経験できたほうが多く学べると感じた。
あしなか作り→わら細工教室で、2日間に分けてあしなか作りを体験した。おばあちゃん
       たちが子どものころは夜になると親が作ってくれたという話や、もち米の
       わらのほうが編みやすいというようにいろいろなお話を聞きながらの
       作業で、とても楽しめた。昔はきっと夜に囲炉裏を囲んで家族で集い、
       その中で手仕事が伝わっていったのだろう。最初につくったあしなかは
       不格好で、外にははいていける代物ではなかったが、二つ目のものは少し
       慣れてきたおかげで納得のいくものとなった。
薪割→生の雑木を割る作業。完全に乾いていないため、とても割れにくくテクニックが
いる。私はかなり悪戦苦闘したが、目の前でおばあちゃんとおじいちゃんが
ひとふりでぱかーんと割っているのをみるのはめったにできない経験だった。
こんにゃく作り→こんにゃくいもをミキサーでどろどろにし、灰汁をいれてから形を
        つくってゆがく作業。昔は臼と杵のようなものでイモをついて細かく
        していたそうで、その方が味があっておいしかったという。
家のお祭り→あるおばあちゃんの一族の祠にお供えをするという行事に参加。
      旧暦の元旦に、里のものと海のものと山のものをお供えする。
      村の祠ではなく、個人の祠であるのがおもしろい。このとき同時にお赤飯
      作りとシカ肉料理も教えていただいた。
<きとうむらでの作業・体験>
きとうむらの製品に関して掲載されている雑誌記事のスキャン→情報をPCに残しておく
柚子ピン作り→柚子の木のとげをカットし、押しピンにする作業
有機JAS申請準備の現地調査→有機JAS申請を行う畑に行き、木の本数を数えたり、どこを緩衝地帯とすべきかを考えたりする作業に参加した。
柚子皮堆肥化作業→柚子の搾りかすを天地返しする作業(雪かき利用)
パン作り体験→きとうむらで販売されているコッペパン、あんぱん、食パン、日替わりパンの製造体験
<移住交流ツアーのお手伝い>
都会からの移住を考えている人たちを対象に実施された、移住交流ツアーにスタッフとして関わらせてもらった。2泊3日の日程で、地域内をあちこち見学した。
全体を通じた感想
3週間、毎日新しい学びがあり、木頭ならではの経験を積むことができた。昔の生業調査としては、太布といわれる古代布を作るための糸作りとして、こうぞの木を刈り取って蒸し、皮をはいでから川にさらして、乾燥させるまでの一連の作業への参加、雑木を利用した炭焼き、山作といわれる焼畑や小水力発電などに関する聞き取りを行うことができた。また、移住交流体験ツアーのスタッフとして、参加者の生の声を聞くことができたとともに、数年~13年前に地域に移住してきたIターンの人とも交流を深めることができた。
インターン期間中、幅広い年齢層の人と話す機会があり、今後の地域社会のあり方を考える上で参考となった。地域に暮す人たちの多くは、同地域を「不便」で「なにもない」ところで魅力がないと感じており、若い世代にとって地域にとどまるインセンティブは少ない。40~50代以上の親世代に話を聞くと、子どもたちが地域からでていくのは仕事のことを考えれば仕方ないという答えだった。
一方で外からきた人たちにとっては、街にあふれる情報などが「ない」ことが魅力のひとつでもある。両者の間には地域に対する思い入れに温度差があり、外と内をつなぐ仲介者としての存在が不可欠である。また、那賀町には移住を考える人がお試しで滞在できる施設がないため、今後移住者を受け入れていくためには、そのような設備を整えていく必要がある。さらに、一度地域外にでて、戻ってきた若者はなかなかコミュニティーに溶け込みにくい、とも話しており、雇用の面も含め、Uターン者を受け止める受け皿が必要だ。Iターン、Jターン、Uターンなどその形態にかかわらず、外からくる人と地域コミュニティーとの交流をいかに促進していくかが、地域活性化の鍵となることを実感した。
あるおばあさんは、「ここにきてくれる衆は、みなまたきます、といってくれるがほとんどの人はそれっきりこんけんのう」と話してくれた。一度きりでなく、継続して地域と関われるような仕組みを作ることも地域を元気にしていくために必要だ。
私自身としては、今後とも継続的に木頭を訪れ、聞取りを続けたいと考えている。山で拾ってきた薪や雑木の炭を煮炊きに使い、小水力発電で得た電気を明かりとし、自分の食べるものは自分の手で作り出してきた時代を知るお年寄りはもはや少なく、聞取りを行うことができる時間は限られている。今回できたつながりを大切に、学びを深めていくとともに、地域に対してなんらかの形で還元していきたい。(細貝瑞季さん/京大大学院







[インターン研修生のfacebookより]
Winter time in Kito is freezing and I have rarely met with someone when I walk along the street.Getting outside during the night(the restroom is in outside) requires some courage because of darkness and coldness but seems that I have already been adjusted myself.


Also the elderly people here are just so cool.The other day I saw one lady who is early 80s cutting her own firewood quite easily.That one was rough wood and I believe I can`t do like what she has done!Outstanding skill.


*すみません、各自で翻訳して下さい。(玄番)


【動画/静止画】
  1. 炭材の原木整理(チェンソー)1/9
  2. カジ刈り1/10
  3. カジ蒸し1/12



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