自然な川の条件は:
・瀬と淵が交互にある
・蛇行している
・川沿いに雑木がある
ダムの上流部で「淵」がなくなってきたという話を良く耳にします。
昔はのぞき込むと恐ろしいほどの青く深い淵があちこちにあり、そこから「魚が湧いてきた」といいます。これは単純には、大雨によって山腹崩壊が起こり、大量の土砂が川に流れ込むからと考えられます。例えば次の動画がその瞬間です。
しかし、むかしの山と環境がどう違うのかと言うと:
・戦後の拡大造林政策によって雑木がパルプ用に伐採され、人工林が増えた。
・1950年代から急増したダム。
・道路整備のため、河川沿いの雑木がコンクリートになっていった。
などがあげられます。
さあ、淵がなくなってきた原因は何なんでしょうか?
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今回の映像は先日からの多量の雨の影響ですが、あまりにも急峻な山肌にも杉を植えるというかつての「国策」も原因していると思います。
しかし、一度人の手が入った人工林は、これからも手入れをして行かなければならず、杉林が「悪」という単純な構図ではすまないと思います。
問題は、近視眼的な経済効果のみを追うのではなく、社会がもっと長期的な森林問題に関心を持ち、石油化学製品に依存しすぎている今のあり方を見直すことが大切だと思います。
ハイブリッドカーを購入することがなぜエコなのか?それより、森林資源をどのように持続可能な方法で、暮らしの中に取り入れ、CO2削減をして行けるのか。多角的な視点で考え直す時期に来ていると感じます。
当地での環境NGO活動(NPO法人 里業ランド木頭)も、産や官の環境政策とは違った視点で提案できたらと考えています。そして、そのような活動を社会がもう少し関心をもち、サポートしてもらえたらと思います。
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